3.03.2015

三月ひなのつき

石井桃子さんの『三月ひなのつき』より


おかあさんは、あなたのブラウス一つだってそまつにかんがえて、ぬったことないわ。
あなたのために、あなたに似あうようにと思ってぬうわ。
なにも、よし子が日本一きれいな子ってことじゃないのよ、
よし子は、よし子だってことなの。わかる?
おかあさんのおひなさんもね、おばあさんがはそういつもりで
おともだちにたのんでくださったんじゃないかしら。
あのおひなさまは、日本一上等のものじゃなかったわよ。
でも心が、こもっていたから、
そこに説明できるものがあったんだと思うの。

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よし子ちゃん
おひなさま、気に入った?
ひな段のおひなさまは、全部おかあさんが折ったおひなさまよ。
折り紙ですから、あまりいじると、やぶれます。
それから、そばの木のおひなさまは、先日、芝山さんのおばさまが、おかあさんの話を聞いて、あなたにとくださったのです。
このお人形を彫る人の名も教えてもらいました。
よし子が気にいったら、毎年、これに、少しずつつけたしていきましょう。
紙のひなの色がさめるころには、お道具まで、全部そろうでしょう。

三月三日 おとうさんの日に。

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ミッフィーの翻訳者で有名な石井桃子さんのひな祭りのお話。
戦争で全てを失って、また父の命日が三月三日というストーリー。
母は自分がとても素敵なひな人形を貰ったので、
なかなか娘にあげたいようなひな人形はみつからないのと母は娘に言う。
娘は安くても自分のひな人形が欲しい。母が娘に伝えたかったことと、母が娘のために折り紙で折ったひな人形とともに添えた手紙で、はい、号泣です。
ひな人形を箱から出して、ひな壇に飾る、順番の描写とかすごいです。




すべての女の子に、幸あれ。